■糸井重里氏のMOTHERである考え方
視覚で驚かす演出はもうこりごり。いまの時代ハードの力も上がってきて、いろいろな表現をユーザに浴びせることは可能(例:3D表現)だが、根本的な部分が抜け落ちている。ストーリーも然りだが、ゲームとしての楽しさ、ゲームだからこそ生まれる楽しさが不可欠なのである。
音楽は重要である。いままで「ゲームの音楽なんておまけ」としか考えていなかったらしいが、MOTHERは違う。音楽は大きな要素であり、当時のファミコンMOTHERにおいてはMAPデータのメモリー(容量)を削ってでも音楽に力を入れていた。MOTHER3でも音楽はウェイトを占めること間違いない。
生きている人を表現したい。これは過去中止となったMOTHER3(Nintendo64のハードウェア)で提案したが却下となる。ただし糸井氏が目論んでいた要素であり、間接的にかかわってきそうだ。RPGの場合、町の人が主人公に対して一定の台詞しかしゃべらないのを、MOTHER3では「時間ごと、日付ごとに台詞を変えてみてはどうか」という案がでた。しかしよくよく考えてみればこの案はテキストだけで膨大な量に及び無理だとわかっていたが、なんと実現している作品がとりあえず一つあったのだった。それは任天堂64「ゼルダの伝説・ムジュラの仮面」だ。冒険の舞台が3日間という、最初からそぎ落とした時間軸のなかで冒険が進むため、この設定が実現できていた。MOTHER3はGBA(ゲームボーイアドバンス)ということもあり、データ量も少ない。果たしてどういった形で表現できるか。
サインをだす。製作者のサインがユーザにとって心地良いニュアンスで伝わるかどうか。例えば展開がガラリと変わる場面をあえて瞬時に変えるのと、サイン(イベントが起きますよという合図)を出してから変えるのとでは、伝わり方も全く違う。ユーザを驚かせたい場合は、前者を使うだろうし、逆に言えば突然シーンが変わってユーザが対応できなく、不快感を示すイベントであれば後者(サイン)を使うことが望ましい。かといって丁寧にサインばかり出しているとユーザは「決まったレールを歩いているようでつまらない」と判断する。MOTHER3は製作者側とユーザが一致するようなサイン作りを綿密に練って製作するはず。
息抜きな展開を。MOTHERシリーズで心がけていること。それは息抜きできる展開が潜んでいると言うこと。不真面目な名前をつけたキャラクターが存在したり、こんなイベントなくても先に進めるのに。といったようなイベントをわざと盛り込んでいる。これはRPG特有の性質を潰したい事にあった。RPGだと、どうしても「情報収集→レベル上げ→強いボス撃破→爽快感」のサイクルになりがち。MOTHERでは「ここはふざけて遊んでほしい」「笑ってほしい」といった息抜きポイントを作っている。シリーズ3でも、こういった息抜きができる場所がきっとある。
シナリオ容量は前作の2倍。だそうです。楽しいイベントがたくさん詰め込まれている模様。
『MOTHER3』作画のチームの一員 門井元さん ちばてつや賞を受賞。このような優秀な作画チームがMOTHER3の舞台を大きく盛り上げてくれるでしょう。以下、引用。
<ちば氏総評>
優れた作品が多く集まったと感じた。大賞を選ぶのもそれで一苦労したが、『すなおになれば』は人物描写が特に優れていた。入選の『雨』も画力という点では突出していたのではないかと思う。佳作となった作品も非常にレベルが高かった。全体に共通して言えることは、絵の上手下手はありこそすれ、勢いが読者に伝わってくる作品が多かったということだ。
http://e-morning.jp/award/tiba48_final.html
■MOTHER3 任天堂公式サイト
■ほぼ日刊イトイ新聞「MOTHER」
http://www.1101.com/MOTHER/index.html
■「MOTHER1+2」公式ページ
http://www.nintendo.co.jp/n08/a2uj/index.html
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